姉にはまったく頭が上がらないよ。
母の入院の準備、
癌手術の付き添い、説明及び同意。
次の転院先を手配してリハビリ計画策定の交渉。
更に退院後を見据え介護施設の見学とね。
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母が病に伏してからは煩雑な手続きの全てを姉がしてくれている。
医療職として長年働いてきたお陰で経験のみならず人脈も豊富。
もう凄いとしか。
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こっちは今後の生活の不安に震えるしか出来ないというのに。
30年もの間に想像を絶する差が出来たのね。
母も姉を頼り切っているしね。
自身は心配のみかけているよ。
傘寿の病人に励まされているようではね。
”かーちゃんは大丈夫だから、ちゃんと守ってあげるから・・・”
母に寿命をあげたいよ。
どこか欠けた、
埋め合わせることの出来ない傷を持った人達の物語。
ジェンダーバイアスの考察が興味深い。
人間とはかくも無自覚なんやね。
そして犯罪というのはこれほど多くの人を悲しませるのかと思う。
作中では志波が受けた肉体的損傷に最も衝撃を受けた。
そしてそれを知った鞍岡の胸中・・・・。
面白く悲しい本だった。