姉が来た

母の病気に端を発して姉との交流が再開したよ。

 

約30年ぶり。

 

全く想定外です。

 

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不思議なほど隔意無く話せている。

 

お互い過去については一切言及しないからね。

 

 

ただ、

 

やはり煩わしい。

 

口五月蠅いのよね。

 

正論にも諭すような喋り方にも辟易させられる。

 

それなりに感謝はしているけど・・・・・・。

 

・・・・・

 

再度生活保護を勧められたよ。

 

不惑も終盤で引き籠り。

 

当然まともな職は無い。

 

あってもせいぜいブラックで使い捨てられるか、

 

若しくは単純作業で最低時給が精一杯だろうともね。

 

 

受給すれば、

 

母をもっと良い施設へ入れることが出来るとも・・・・。

 

 

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2008年7月から開始した株式取引。

 

唯一の慰めであり、世界との接点。

 

そんでJALやFX、楽天インバースの損失をようやく取り戻す事が出来た。

 

16年かけてね。

 

その間の常に100円単位で生きてね、

 

爪に火をともすような生活を続けたよ。

 

 

ほんでNISAでこれからという思いやったのにね。

 

受給の為には全てを放擲しなければならない。

 

 

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16年の苦楽と将来の希望を手放せと・・・。

 

 

お節介な姉が疎ましい、

 

癌になった母が憎い、

 

見落とした主治医に至っては殺意を覚える。

 

 

そして、

 

どうしていいか判らない自身が情けないよ。

 

 

 

 

 

 

「拝み屋備忘録  人喰い墓場」     著者:郷内心童

 

 

 

人を呪う術を持てたらと思うよ。

 

虐げられてきた人生やからね。

 

呪う相手には事欠かない。

 

きっと暗い背徳感に満ちた愉悦を感じるやろう。

 

想像すると顔がニヤける。

 

復讐は間違いなく人生最大の快楽の一つだから。

 

そんなことを思いながら読んだよ。

 

・・・・

 

猫達が弔問に訪れる場面は良いね。

 

カラスで似たような話を聞くけど猫もするんやね。

 

 

そして母が今際の際に息子の自殺を翻意させるよう説得するシーンはね。

 

”あなたはアイデアマンなんだから大丈夫、もっと胸を張って堂々とね。”

 

”生きなさいよ? もう大丈夫だね?”

 

 

息子も言葉に詰まって泣きながらね、

 

”うん・・・、うん・・・・、”

 

それしか言えないのが却って胸に来る。

 

 

温かい親子でした。