母は今施設にいるんよね。
今日でちょうど2週間目。
それなりに馴染んできたと思うよ。
2年前に出来たばかりで綺麗で清潔な館内。
食事も胃癌という事で配慮してくれている。
ただ住宅型やから職員は原則生活支援のみのサービス。
介護や医療はオプションになるから別途、費用が掛かるのよね。
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このことは将来に亘って大きな経済的負担を意味するよ。
人間は死の直近5年で生涯の医療費の80%を消費するというデータも。
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不安やね・・・、
だからね、
内なる悪魔が囁いたんよ。
自身の将来も不安で堪らなかったんよ。
今後のことを考えると恐怖で一杯なんよ。
冷静じゃいられないんよ。
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”もしさ、認知症が進んだら・・・、
安い特養に行って貰えないかな・・・?
・・・・・そして浮いたお金を、
少しばかり貰えると嬉しい。
いや、だって認知症なんだから・・・、
判らないでしょ?
だったら、
何処でも一緒でしょう?”
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・・・・
母は快く承諾してくれたよ、
満面の笑顔でね。
”お前が助かるのならそれで良いよ。”
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夕暮れ、
自転車で帰路につく。
途中苦しい、
胸が張り裂けそう、
息するのも苦しい。
神様、
どうかこの底辺を召して下さい。
キエタイデス。
安楽死は世界の趨勢か。
これからは患者を上手く死なせる医師が名医と呼ばれるんやろうね。
観ていてそう思ったよ。
40歳で安楽死を決断した話に救われる。
歳下の死に励まされる。
もう十分生きたと思えるから。